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事業計画を考える(決算書とのつながり)

  • tsunemichiaoki
  • 2024年9月30日
  • 読了時間: 6分
事業計画

本日もセミナービジネス研究所の記事をご覧いただきありがとうございます。あらゆる経営者の方が事業を発展させていく上で、セミナー展開の価値、メリットを感じていただくために、セミナー展開で御社の事業あるいは経営者であるあなた自身のアピールをしていただきたいと考えております。

そのために、セミナー展開をどのように行っていけばよいか、という基本をお伝えするため、そしてご参考になるのでは、という記事を書き連ねております。


ここ数回、経営者向けに決算書についてのお話をしてきましたが、今回は経営の区切りということと事業計画のお話にまで進めてみたいと思います。

それでは今回の本文をどうぞ。





第1章  決算書分析の本質


今までお伝えしてきたことをお読みいただいた方であれば、決算書は1期分だけでなく、可能な限り過去の分それも、5期分いや10期分まで読みこなす必要があるかもしれない、ということをご認識いただけかと思います。


過去の資料を読み解く価値は間違いなくありますので、そのようにお伝えいたしました。



しかし、いくら過去の決算書を詳細に分析したとしても過去の結果が変わるわけではありません(間違いを発見して決算修正の必要が生じた、という意味ではありませんのでご理解ください)。


過去は過去として、大事なことはそれを前提に未来はどう考えるか、ということです。




ここで大事になってくるのが貸借対照表(B/S)です。


過去の経営の結果、非常にうまく行って内部留保が積み上がっている、ということであれば、そのありがたいお宝を使って次の挑戦をどのようにしてさらなる飛躍を目指すか、ということが考えられるようになります。


一方で、苦戦続きで、借金が積み上がってしまい、利息の負担も毎年重くなり、どうやって返済していけばよいか日々悩んでいる、という状況に陥っていると前向きな発想がなかなかできず、倒産の恐怖から如何に逃れるか、ということしか考えられないかもしれません。



企業経営で考える方向性は、いかに利益を出すかが第一です。その上で、その利益をどれだけ伸ばせるか、ということになります。


利益を出すためには、売上を上げるかコストを下げるかが基本であることも申し上げるまでもないはずです。


内部留保が確保できているのであれば、多少リスクをとっても、大きなリターンが望めるものに取り組む余裕、余力があります。一方で、借金返済に四苦八苦しているのであれば、起死回生の大ヒット商品が生まれればありがたい限りですが、そう簡単にそのようなTVドラマのような世界は実現しませんから、少しでも生産性を上げる、コストダウンを図る、ということの積み上げで利益を出していかなければなりません。



いずれにせよ、それを生み出すのが未来の決算書をどのように考えるか、ということにつながるのです。





第2章  未来の決算書とは?


3年後でも5年後でも構いません。


その時の御社の利益率はどのレベルにしたいとお考えですが。

利益率は、売上高営業利益率が指標ですか。それとも売上高経常利益率ですか。

自己資本比率はどのようにしたいとお考えですか。


などなど、このような視点で経営を考えると、財務分析をしていく中での意識している指標が何かあるはずです。


ただし上場企業の企業分析をするわけではありませんから、多数のそして細かい指標までチェックする、ということはお勧めしません。


借り入れがあるのかないのか、ある場合はどの程度なのかによっても選ぶべき指標も変わってきますが、このような取り組み初期段階であれば3項目程度、もう少し進んだ経営管理レベルになってきていれば5項目程度の指標を選んで、将来の姿を設定してみるとよいでしょう。


私が選ぶ初期段階の3項目は、


売上高、営業利益(額)そして売上高営業利益率


になります。

売上高営業利益率に関しては、売上高と営業利益の数値が明確化されていれば、自動的にわかるではないか、というご意見もあろうかと思います。

その通りではあるのですが、利益率の数字をはじいて、それを明示化すると、やはり違う感覚が出てくる、というのが私の実感です。


故に上記の3項目を挙げています。



第1章で、未来の決算書という言葉を出しました。

上記の3項目のうちの一つ、未来の営業利益をどのように出すか、こちらの方が気になる、という方もおられるでしょう。


ご推察の通り、未来の営業利益を算出するというのは実は簡単ではありません。

売上から費用項目を差し引かなければ利益額は計算できないからです。


そうなると将来の費用項目額をどのように設定するか、ということも決めないと将来の営業利益額の算出はできませんし、そこをざっくりとした金額でエイヤと設定してしまうと根拠薄弱な将来計画、ということになってしまいます。





第3章  目指す経営を考えるための決算書 


ここまでのご説明でかなり感じ取っていただけたのではと思います。

未来の決算書、と申し上げた内容は、まさに将来に向けての事業計画にもつながるものです。


将来に向けての事業計画というと、売り上げをどのように伸ばしていくか、と言うことに意識が行きがちではないかと思いますが、事業計画を考える上では費用項目をどうするかも大事な視点です。


社員数はどのようなレベルになっているか。

それに伴う人件費は?


どのような製品・商品をどのように売っていくのか。

それに伴う広告宣伝費は?


ということが費用項目に関する将来計画を考えていく上では必要不可欠な要素になります。


そしてここまでお話ししてきている基本部分はほとんどが損益計算書(P/L)に関するものになります。



ではその上で、B/Sをどのようにしていくのか。

毎年の利益から着実に借入金返済を行って自己資本比率を上げていく方向で経営の舵取りをしていくのか。

大きな設備投資を借入金で賄って、一気に事業の拡大にチャレンジしていくのか。


こうなってくると、貸借対照表(B/S)の将来の姿をどのようにしていくか、という意識がないと決断できません。



いずれにせよ、未来の自社の姿をどのように描くのか。

それが何よりも基本であり大前提ですが、その未来の姿のイメージを膨らましていく段階での一つのアウトプットが未来の決算書ということになります。



現在の決算書を読み解くことができれば、決算書に示されている数字の意味がわかってくるはずです。

そこをクリアできれば、未来の決算書をイメージする、ということも多少時間を取ればできるはずです。


正確な数字のB/S、P/Lを作る必要はありません。

概数で構いません。


このような意識及びやり方で、3年後あるいは5年後の未来の決算書の作成にどうぞチャレンジしてください。得られるものが必ずあります。お勧めです。


(了)

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