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山川部長の難関突破物語(ハーモニー経営)
ハーモニー経営の一端を垣間見ていただくためにある大企業の部長の苦難、そしてそこから這い上がる物語をお伝えします。 水道事業本部・供給管理部。 全国でも有数の規模を誇る公共インフラ企業の、その中枢の一つだ。 山川誠(やまかわ まこと)は、その部の中でも長年現場と経営企画の両方を歩んできた部長である。 だが、最近は机に向かう時間が妙に長くなった。 午後9時過ぎ。静まり返ったフロアの、白い蛍光灯の下で、山川はパソコンの画面をぼんやりと眺めていた。画面には、規制当局からの最新の通知。 「是正措置の詳細報告書を、2週間以内に提出すること」そう記されていた。 その文面に、特別な驚きはなかった。 むしろ、「またか」という感覚のほうが強かった。 ——ここ数年、会社は規制当局への対応でずっと手一杯になっている。トラブルというほどのものは起きていない。だが、公共インフラという性質上、些細なミスも許されない。そのため、細かな報告と資料づくりが日常業務の大半を占めるようになっていた。 本来、水道事業の大義は「社会の基盤を支えること」だ。水が止まれば、産業も生活も成り立た
tsunemichiaoki
23 時間前読了時間: 5分
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