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審査員日記、始めます。

  • tsunemichiaoki
  • 9月11日
  • 読了時間: 5分

更新日:9月13日


審査員

ISO審査員活動再開


2024年、ほぼ20年ぶりという状況で審査員としての活動を再開しました。




これまで、研修講師日記を不定期掲載していますが、今度はISOの審査員活動に関する日記も追加していきます。


よりニッチな話にはなりますが、これからセカンドキャリアでISO審査員を検討される方には、現場情報としてご参考にしていただけるのではないかと思います。




さて、20年ぶりと言ってもよい審査員活動。


20年前ですから、規格もその後大改訂されています。さらに、この間に審査のやり方も逐条型審査と呼ばれる手法からプロセスアプローチ型審査に変わったと言われていることもあり、ほとんど一からやり直しという形での審査員活動の再開となりました。

またお世話になる審査機関も変わったことから、当然やり方も様々な面で異なります。




審査員初期研修


今回お世話になる審査機関では、初期訓練として丸々3日間の研修があります。私が参加した研修はISO9001の審査員になるための初期訓練ですので、たとえばすでにISO14001の環境審査員として活動をしている方であっても受けなければならない研修。


3日間が長い日程かどうかは一概には言えませんが(5日間の初期訓練がある審査機関もあると聞いています)、受け終わった感覚からすれば、最低3日は時間をかけないとダメだろうな、という感触です。とは言え、いろいろ聞く限りは3日間の審査員初期研修も他の審査機関に比べると長いようです。



ISO審査員を目指される方であればおわかりと思いますが、審査員になるには、5日間(40時間)の研修コース受講と2時間に及びペーパーテストにパスしなければなりません。

毎晩のように復習が必須の研修コースであり、5日目の終了時点ではへとへとになる研修です。

それを修了合格しているのに更に3日間等の審査機関による初期研修があるのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。


ここはなかなか厳しいところですが、その審査機関による初期研修はマストと言うのが私の意見です。

はじめてこの審査機関による初期研修の話を聞いたときは、それほどまでの日数を掛ける必要があるのか、と思いました。


実は20年前に本当に初めて審査業界に足を踏み入れたときのその機関での初期研修は1日弱でした。そしてその内容も、簡単な確認といっても良いくらいのもので、それ以降はOJTで対応、というやり方でした。

ですので、今回の3日間のOff-JTとの差は歴然です。




プロ審査員とは(仮免許ではない)


ですが、審査員補といえども、審査の世界においてはプロの入口に立っています。

本当の初回だけはオブザーバーという立場での参画で、実際の審査がどのように行われるのか、ということを理解することはできます。

ですが、やはり見るのと聞くのは大違い。


実際の審査を受ける側の経験を持たれている方であっても、自分がする側になると相当に状況は異なります。

そして座学ではなくようやく現場に足を踏み入れることになる初回はオブザーバー参加ですので、その時は、一切発言が許されません。リーダー審査員に質問したくてもお客様を前にそのようなことも許されません。


そしてオブザーブ対応が終わると次の審査ではいよいよ自分も発言して審査に参画することが許されます。


とはいえそのシーンは、自動車免許取得の際に、仮免許を取得して教習所の外についに出て一般道を走るようになる、という段階とは少々状況は異なります。

審査員


自動車免許であれば、それまで一度も車を運転したことがない人が、教習所内で基礎技術を身に着け、いよいよ一般道でのトレーニングに入るわけですが、その際は教官が横に乗ってマンツーマンレッスンの形で対応してくれます。そして道路を自分が目的地に向かって走るわけですが、周りに車や歩行者がいなければ、あくまで自分の意志で動く、ということで活動としては完結できます。ある意味一人称の活動です。


ですが、ISO審査の場合は、どのような場合であっても相手の方がいます。


つまり一人称での活動、ということは一切なく、すべてが相手との関係性の中で行われるビジネス活動ということになります。


自分の言動が相手に対して何らかの影響を与えるわけですから、教官役の主任審査員が横にいるとはいえ、自分の言動が及ぼす影響は決して小さくありません。


つまり、審査員としての活動をする前段階で、審査をする実力を持っていることが前提となっていると言っても過言ではない、というのが実際のところです。


お客様はプロの審査員に対して支払う報酬をすでに審査機関に対して支払っています。

今回は審査員補が対応しますから、審査費用は半額で結構です、ということにはなりません。

審査員補だからうまくできなくても許されるだろう、ということには基本的にはならないのです。


これは研修講師であっても同じです。


初めての登壇時であっても、お客様が払う受講料は、ベテラン講師のときと変わりありません。お客様からすれば、その人がベテラン講師か初心者講師かはわからないからです。今回は初心者講師が担当しますから受講料お安くします、という研修機関にお目にかかったことはあなたもないはずです。


審査員の場合は、相手に審査員補が今回参画しますが許容していただけますか、というプロセスがあるだけまだ良いかもしれません。



審査員に必要なマインドそして準備


長くなってしまいましたが、審査員補であっても、ベテラン審査員との差をあまり感じない、という審査をするためにはどれだけの準備をする必要があるのか。

だからこそ、しっかりとした体制を作っている審査機関であれば、これから審査の世界に入る人に対して可能な限りの内容を初期研修で提供しようとするわけです。

その日数が3日では少々短いかな、と言うのが繰り返しですが私の感覚です。


その意識のもと、さあ審査の現場で起きていることにはどのようなことがあるのか。

審査員日記としてこれからお伝えしていきたいと思います。


審査への参画ができた都度、この日記を書いていくようにしたいと思います。

研修講師に比べて多くの頻度での更新ができるわけではありませんが、皆様の活動の何らかの支援になれば幸いです。





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