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柔軟対応が生む“個別コンサル”のようなISO入門講座(ISO研修講師日記Vol.13)

  • tsunemichiaoki
  • 9月16日
  • 読了時間: 4分
柔軟

ISO9001入門講座:柔軟対応が生んだ“個別コンサル”のような一日


今回はいつものセミナー会社ではなく、別の企業様からのご依頼によるISO9001入門講座。実質5時間、ほぼ丸一日をかけてのセミナー対応となりました。


入門講座ということで、ISOの知識がない方を前提に、規格以前の「ISOとは何か」「認証取得とはどういうことか」「そもそも認証制度とは何か」といった基本から、現状の業界動向まで幅広く紹介する構成。テーマ選定から資料作成まで、久々にすべて自作で臨んだ講座でした。


やはり、自分で設計・構成した講座はしっくりくる。改めてその良さを実感した一日でもありました。




参加者は1社のみ、それでも意義ある時間に


実のところ、このテーマは現在の市場ニーズからは少し外れている部分もあり、今回の参加者は1社のみ。とはいえ、同じ会社から複数名の方が参加してくださったことで、自画自賛ながらも「意義ある講座」にできたのではないかと感じています。


その理由は、設定したカリキュラムや資料内容に固執せず、柔軟に対応できたからです。




柔軟対応が生んだ“個別コンサル”型セミナー


セミナー開始時、参加者の皆様と会話を交わす中で、知識や経験に差があることを感じ取りました。「知識の浅いメンバーに合わせてほしい」というリクエストもいただき、まずは用意した資料に沿って基本説明を実施。


その後は、追加の説明やこちらからの問いかけを通じて、参加者のニーズを引き出しながら、個別対応とも言える深掘り解説を展開。資料に拘泥せず、ためらわずに踏み込んでいくスタイルです。



あくまでコンサルティングではありませんが、通常のセミナー対応から大きく踏み込んだ、コンサルティングセッションに近い進行となりました。


特に今回の参加者は、事業開発という責務を担う方々。ISO9001が目指す「品質の標準化」が自業務にどこまでフィットするのか、という悩みを抱えての参加だったことが、やり取りを重ねる中で見えてきました。



そのような状況であれば、用意したカリキュラムや教材からは自然と離れていきます。細部にはこだわらず、時間管理だけは意識しながら、存分に対応を図りました。

結果として、受講者の方から「今回はセミナーというより、個別コンサルをしていただいたような感覚でした」とのコメントをいただき、こちらの狙いは達成できたと感じています。


限られた時間と費用の中で、十分な価値を提供できたのではないでしょうか。事前に提示していた進行カリキュラムからは想像もつかない内容を、その場で構築・提供した一日となりました。




認証取得にこだわらないという選択肢


さらに一歩踏み込んで振り返ると、今回の受講者の部門では「認証取得に進むべきかどうか」、そして「認証不要と判断する場合、経営者にどう説明し納得してもらうか」という問題意識をお持ちでした。

お話を伺う限り、現時点では認証は不要と考えられる組織状況。その旨を率直にお伝えする中で(通常のセミナーではまず起こり得ないやり取りですが)、私自身にも大きな気づきがありました。


ISOの基礎知識を学びたいという方々は、単に「認証が必要かどうか」を判断するための勉強ではなく、「認証が不要であるなら、なぜ不要なのか」を明快に整理したいというニーズを持っている。今回、初めてそのような要望に触れることができました。


これは、ある意味で高度な知的集団ならではのニーズとも言えるかもしれません。実際、今回の受講者は大手上場企業の新規事業開発を担う方々。事業が進めば子会社設立も視野に入っており、他部門ではすでにISO認証を取得していることから、部門間の整合性も考慮しなければならない状況でした。



こうした複雑な背景を踏まえた悩みに対しては、講師側も安易に意見を述べるわけにはいきません。




刺激的な一日、講師としてのやりがい


久々に、非常に刺激的な時間を過ごすことができました。講師としての柔軟性と対応力が求められる場面でしたが、今回のようなセミナーであれば、毎日対応していても苦にならないだろうなと感じられる一日でした。





最後に『本日のひとこと』


■その場の柔軟対応、講師としてのやりがいにもつながる!

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