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文書体系をシンプルに保つための運用ルール― 「増やさない」「重ねない」「迷わせない」がISO運用の核心

  • tsunemichiaoki
  • 6 日前
  • 読了時間: 5分
文書

ISO9001の文書体系は、本来とてもシンプルです。しかし現場では、


  • 文書が増えすぎる

  • 内容が重複する

  • 更新が追いつかない

  • どの文書を見ればいいかわからない


といった問題が起きがちです。

その原因は、文書の“作り方”ではなく、文書の“運用ルール”が曖昧なこと にあります。


ここでは、文書体系をシンプルに保ち、現場で使われ続けるための運用ルールを整理します。



 

1. 文書は「必要最小限」を原則にする


ISOは「必要な文書を作れ」とは言いますが、「たくさん作れ」とは一言も言っていません。

特にかつてのISO9001は文書、記録の作成要求が数多くありましたが、改訂を重ねて、かなり(特に文書)その要求は少なくなりました。

不要な文書は廃止することをためらわずに取り組んでいきましょう。

 

✔ 文書が増える原因

  • 過去の版を継ぎ足す

  • 担当者が変わるたびに新しい文書が増える

  • “念のため”の文書が積み重なる

  • 審査で指摘されないようにと過剰に作る


✔ 運用ルール

  • 文書を作る前に「本当に必要か」を必ず確認する

  • 既存文書で代替できないかを検討する

  • 文書の目的を明確にしてから作成する


文書は“増やす”より“増やさない”方が、ISO運用は確実に強くなります。


そして、減らすことも必ず意識しておきましょう。多くの組織が「文書が多い=ISOが大変」という誤解を抱えていますが、実際には“文書の数”ではなく“文書の運用ルール”が問題の本質です。



 

2. 一次・二次・三次文書の役割を厳密に分ける


文書体系が複雑になる最大の原因は、一次(マニュアル)・二次(規程)・三次(手順書)の境界が曖昧になること です。


✔ 運用ルール

  • マニュアルに手順を書かない

  • 規程に細かい作業内容を書かない

  • 手順書に理念や方針を書かない


✔ 役割の再確認

  • 一次文書:理念・全体像(Why/What)

  • 二次文書:組織のルール(What/Who)

  • 三次文書:現場のやり方(How)


この境界を守るだけで、文書体系は驚くほどスッキリします。


そしてあえて補足すれば、それぞれの文書の違いは下記のようになります。

一次文書=地図、二次文書=交通ルール、三次文書=運転マニュアル



 

3. 文書の“重複”を禁止する


文書が複雑になるもう一つの原因は、同じ内容が複数の文書に書かれていること です。


✔ よくある重複例

  • マニュアルと規程に同じ説明

  • 規程と手順書に同じ手順

  • 手順書と記録様式に同じ項目


✔ 運用ルール

  • 同じ内容は必ず“どこか1か所”に書く

  • 他の文書には「参照先」を書く

  • 文書作成時に「重複チェック」を行う


重複がなくなると、更新漏れも一気に減ります。



 

4. 文書の“更新責任者”を明確にする


文書が古くなる理由の多くは、誰が更新するのかが曖昧 なことです。


✔ 運用ルール

  • 文書ごとに「管理責任者」を設定する

  • 年1回のレビューをルール化する

  • 改訂履歴を必ず残す

  • 現場の改善と文書更新を連動させる


責任者が明確になると、文書は自然と“生きた状態”になります。


それぞれの文書内に主管部署、主管者が誰であるかを必ず明記しましょう。

文書の更新責任者は“実務に最も近い部署”に置くことがポイントです。



 

5. 文書の“探しやすさ”を最優先にする


どれだけ良い文書でも、探せなければ存在しないのと同じ です。


✔ 運用ルール

  • 文書番号体系を統一する

  • フォルダ構造をシンプルにする

  • 文書名は「内容が一目でわかる」ものにする

  • マニュアルから規程・手順書へリンクを張る


ISO文書体系は「探しやすさ」が命です。少々手間はかかりますが、急がば回れです。



 

6. 文書は“現場の言葉”で書く


文書、そして文書体系が複雑に見える理由のひとつは、文書が難しい言葉で書かれていること です。


✔ 運用ルール

  • 専門用語を避ける

  • 現場で使っている言葉を使う

  • 長文より箇条書きを優先する

  • 図解・フローを積極的に使う


文書が読みやすくなると、現場で使われる頻度が増えます。


繰り返しになりますが、ISO規格で出てくる用語を、可能な限り組織で用いている言葉に変える、二次文書以下はISOの言葉のことはいったん横に置く。その意識で取り組みましょう。



 

7. 文書体系は“業務の基本”として運用する


文書体系は単なる書類の階層ではなく、組織の業務を支える仕組みであり基本的枠組みです。


✔ 運用ルール

  • 現場の声を文書に反映する

  • 文書を教育・研修で積極的に使う

  • 文書を“改善の道具”として扱う


文書体系を業務の基本をわかりやすく説明する見取り図としてとらえることができれば、その組織の大枠がつかめます。社員全員に共通の会社の仕組み、ということが伝わっていくようになります。


ISOは“管理の仕組み”を構築することによって、組織運営の基盤を作ることに貢献するのです。


基本ができてこそ応用動作ができる、ということを再確認いただき、その基本、基盤が文章体系で明示化されている、と理解しましょう。

 




まとめ:文書体系は「シンプルであるほど強い」


ISO文書体系は、複雑である必要はありません。むしろ、シンプルであるほど運用が安定し、改善が進み、現場で使われます。


  • 文書は必要最小限

  • 一次・二次・三次文書の役割を確実に分ける

  • 重複をなくす

  • 更新責任者を明確にする

  • 探しやすさを最優先にする

  • 現場の言葉で書く

  • 文書体系を基盤とする


このルールを守るだけで、ISOは“書類の山”から組織の基本的枠組みを支える強い仕組み に変わります。

 







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