QMS研修の一つの理想形(ISO研修講師日記Vol.31)

今回はQMS研修とは言っても、通常とはだいぶ違う内容のものについてです。
具体的には何か、というとプロセスアプローチに特化した研修のお話です。
とはいえ、その研修内容がプロセスアプローチとは何か、ということをISO9001の観点で説明していく、というようなイメージでとらえていただきたいわけではありません。
経営管理と人材育成をつなぐ、完全オーダーメードの研修
研修は、プロセスアプローチの表面的な部分の話ではありません。
組織の経営管理の在り方と人材育成とのつながりの中で、プロセスアプローチの概念を理解し、そこから編み出した演習に取り組むことによってQMSの運用面と人材の力量強化を狙った、ある特定組織向けの完全オーダーメードコースです。
今回初めて実施したコースではなく、過去10年近くにわたって毎年継続実施する中で、組織側担当者の熱意とこちらも努力することで作り上げてきたコースです。
だからこそ、ここまでできるようになった、とも言える研修カリキュラムであり内容のものです。
今回は講師としても久々に高い満足感を感じる日となりました。
毎年継続と言っても、毎回のように、よりよい研修にするためには、という問題提起が組織側からあるケースがほとんどで、それにこたえるためにこちらも改訂を繰り返しているコースなのですが、今回は、今まで2日間で実施していたものを1日コースに改編しましょう、という大幅なリニューアルが入ったことも背景にあります。
寄せられた思いのある質問
そしてありがたいことに、終了後に、質問と言って何人もの人が居残って問いかけていただくことにもつながりました。
さらにその問いかけの内容も、単に研修でお伝えした内容ではなく、そこから派生した業務上の悩みと言ってもよい部分にまで踏み込んだ質問。
そうなるとこちらもより一層うずくものがあります。
何かというと、キャリアコンサルタントとして面談をしている、という意識が出てくるからです。出てくる質問への返答も、単に質疑応答ということではなく、その人の本当に訴えかけたいことは何か、という意識を持ったうえでの応対になってくるからです。
若手が吐露した組織の「ひずみ」と成長痛への危機意識
今回の質問は、最終的には皆さんが組織運営の中で、まだうまく言語化できない状態ながら、うっすらと自社の将来への危機意識も持っているというもの。組織の中でひずみ、よどみが起き始めていることを感じさせるものが伝わってくる状況でした。
そしてそれらの質問と問題意識を表明してくれた方々はいずれも入社1~3年目という超若手ばかり。
業務経験レベルが決して豊富でない中、その問題意識、課題意識を持てるということ自体すごいこととも言え、その企業の人材レベルの高さを物語っているのですが、とはいえ、その年齢層の方々がその感覚を持つというのは、組織経営上は決して好ましくはありません。
成長拡大を続けてきた組織なのですが、どうやら成長痛というべきか、売上等の拡大と本当の意味での組織の成長がリンクしていない、というべきか。いずれにせよ、これをこのままにしていくとこの企業の成長は近い将来鈍化し、そして下手をすると冬の時代を迎えることになるだろうな、という心配を感じさせるものでした。
事前にわかっていたわけではありません。
でもそうならないようにするためのヒントになるはずのことを、ISOが提示しているプロセスアプローチの概念そしてそこから活用を提案する手法をその組織の方々に伝授した研修で伝えたはずですので、受講された方々が次のアクションを起こしていただくことを期待するわけですが、とはいえ、研修受講が即、効き目を表すというものではさすがにありません。
地道な努力の繰り返しが必要になってきます。
そこは組織の皆様の努力をお願いするしかありません。
10年間の継続がもたらした組織の「QMS力」の向上
補足として記しておくと、その研修は、スタート当初は課長クラスが受講してもよいレベル、として開催されていました。
それが近年は、新入社員も含めた若手に受講してもらうと良いであろう研修、という立てつけに同社内でも変化しています。
それだけ長年の実施により、浸透して、どんどん下の職位の人に受けてもらおうということになってきたのですが、
もう一つ、上から目線の言い方で恐縮ですが、その研修が届けられる層が若年層に下がってきた、イコール、同社が地力をつけてきた証左、と言えるのです。
今回の受講者の方々のアウトプットのレベルを当時の課長クラスを含む受講者の方々が見れば、本当に感心するだろうな、と思える受講者の皆さんのパフォーマンスレベルでした。
そして、この研修を始めた当時の研修企画担当の方々が今回の状況を見ていただけたとしたら、本当に喜んでいただけただろうな、と思う結果でもありました。
「この研修を作りたい、あなたたちは我々の期待に応えてくれるか」
と投げかけてくださった、あの時のHさんやIさんに心より御礼を申し上げたいと思います。
そして私たちを信じていただき新規発注となり、さらには毎年の継続発注、本当にありがとうございます。
最後に『本日のひとこと』



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