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文書体系の見直し・再構築のステップ― “整理するだけ”でISO運用は驚くほど軽くなる

  • tsunemichiaoki
  • 5 日前
  • 読了時間: 5分
文書

ISO9001の文書体系は、一度作って終わりではありません。組織の変化や業務改善に合わせて、定期的に見直し・再構築することで、「使いやすい」「迷わない」「更新しやすい」 文書体系へと進化します。


しかし現場では、


  • 文書が増えすぎて手がつけられない

  • どこから見直せばいいかわからない

  • 文書体系が複雑で整理が進まない


といった悩みが多く見られます。


ここでは、文書体系を無理なく見直し、再構築するためのステップを整理します。


前項の『文書体系をシンプルに保つための運用ルール― 「増やさない」「重ねない」「迷わせない」がISO運用の核心』は割とこまめな改訂を含む運用ルールを想定して論じた内容ですが、本稿は本格的な改善策になります。


頻繁に行うものではなく、ある程度の年数が経って、そろそろ大きな見直しあるいは抜本的改革をしたほうがよいかな、というときに参考にしてください。



 

1. 現状の文書を“棚卸し”する


まずは、現状の文書をすべて洗い出し、一覧化します。


✔ 棚卸しで確認するポイント

  • 文書名

  • 文書番号

  • 種類(一次/二次/三次)

  • 主管部署・主管者

  • 最終改訂日

  • 現場での使用状況

  • 重複の有無


棚卸しは「現状を見える化する」ための最初の一歩です。ここで初めて、文書体系の課題が明確になります。

 



2. 文書を「分類」し直す


棚卸しした文書を、一次・二次・三次文書に分類し直します。


✔ 分類の基準

  • 一次文書(マニュアル):理念・全体像(Why/What)

  • 二次文書(規程):組織のルール(What/Who)

  • 三次文書(手順書):現場のやり方(How)


分類の段階で、

  • マニュアルに手順が書かれている

  • 規程に細かい作業が書かれている

  • 手順書に理念が書かれている


といった“ズレ”が見つかることがよくあります。


このズレを正すだけで、文書体系は大きく整理されます。ただし文書の本格的再構築はこの後のステップで行いますので、ここは簡単な交通整理と思って問題ありません。

 



3. 文書の“重複”を洗い出す


次に、文書間の重複を確認します。


✔ よくある重複

  • マニュアルと規程に同じ説明

  • 規程と手順書に同じ手順

  • 手順書と記録様式に同じ項目


✔ 重複を見つけたら

  • 内容を“どこか1か所”に集約する

  • 他の文書には「参照先」を記載する


重複がなくなると、更新漏れが大幅に減り、文書体系が軽くなります。

ここは言うは易し、の部分です。どの程度の時間をかけることができるかにもよりますが、できるだけ丁寧に取り組みたいところです。


そして、できるだけシンプルにすることを心がけてください。


詳細を文書で示そうとするよりも、帳票の中で自然とできるように設計し直すことができれば、効果的な運営につながる可能性が大です。

頑張って取り組んでください。

 



4. 文書の“必要性”を評価する


文書が本当に必要かどうかを判断します。


✔ 評価の基準

  • 現場で使われているか

  • 規程や手順書と役割が重複していないか

  • ISO要求事項に必要か

  • 組織の運営に必要か


不要な文書は、ためらわずに廃止します。文書体系をシンプルに保つためには、「増やさない」だけでなく「減らす」ことも重要 です。

 

その文書を特定するコツは、何年も改訂が行われていない文書があるかどうかです。


もちろん改訂が行われていないから即廃止、ということではありませんが、長い期間改訂されていない、そのことに誰も問題意識がない、という文書があれば、使われていない可能性は大です。

 



5. 文書体系の“構造”を再設計する


文書の分類・重複整理・必要性評価が終わったら、文書体系全体の構造を再設計します。


✔ 再設計のポイント

  • 一次 → 二次 → 三次文書の流れが明確か

  • 文書番号体系が統一されているか

  • 文書名がわかりやすいか

  • マニュアルから規程・手順書へ紐づけられているか

  • フォルダ構造がシンプルか


文書体系は“業務の見取り図”です。構造が整理されると、組織全体の仕組みが間違いなく理解しやすくなります。

 



6. 文書の“更新ルール”を整備する


文書体系を再構築した後は、維持するためのルール を整備します。


✔ 更新ルールの例

  • 文書ごとに主管部署・主管者を明記する

  • 年1回のレビューを必須とする

  • 改訂履歴を必ず残す

  • 現場の改善と文書更新を連動させる


文書体系は、作った瞬間から“古くなる”ものです。更新ルールがあることで、常に“生きた文書体系”を保つことができます。

 



7. 文書体系を“現場に戻す”


再構築した文書体系は、現場に戻して初めて意味を持ちます。


✔ 現場への展開方法

  • 取り組みの趣旨を可能な限りの機会をとらえて社内に向けて情報発信する

  • リリース前に必ず現場での再確認の機会を作り、その意見を反映する

  • 教育・研修で文書体系の全体像を説明する


文書類は“現場で使われてこそ価値がある”ものです。


そのためにも、押し付けられた文書ではなく、自分たちの主張がきちんと盛り込まれた文書だ、という認識を持つことがとても大事なことになります。

 




まとめ:文書体系の見直しは“整理”がすべて



文書体系の再構築は、難しい作業ではありません。必要なのは、次の7つのステップを丁寧に進めることだけです。


  1. 文書の棚卸し

  2. 文書の分類

  3. 重複の洗い出し

  4. 必要性の評価

  5. 文書体系の再設計

  6. 更新ルールの整備

  7. 現場への展開


この流れを踏むだけで、ISO文書体系は驚くほどシンプルになり、“使われる仕組み”へと生まれ変わります。


ただし必ず現場の人々を巻き込むこと

を忘れないようにしてください。





 

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