「昨日の審査は楽でしたね」(ISO9001審査員日記Vol.7)
- tsunemichiaoki
- 2 日前
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複数日の審査の2日目朝、先方の管理責任者の方から、立ち話で言われました。
「きのうの〇〇部の審査はちょっと楽だったと思いますよ」
審査員への教育的指導
さあ、どういう意味でしょうか。
簡単に言うと、ツッコミが足りなかったですね、ということでした。
もう少しあそこからあの部分のツッコミを入れてくれると、受審側メンバーの皆に緊張が走ったと思うのですが、さあっと進んでいってしまったので、ストレスなく受け答えが出来ていましたよね、
という感じのコメントというか感想というか、鋭い指摘というか。
でもこれはとてもありがたい顧客からのフィードバックなわけです。
もちろんこちらにも考えがあって審査は進めています。
ですが、審査もあくまで基本は双方向コミュニケーションです。
ましてや今回の審査先は、なんと9回目の更新審査。年1回の審査を受け続けてくださっているクライアントなので今回の審査は27回目、ということになります。
それだけ長ければ、クライアント側も当然代替わりしていきますから、今回の鋭い指摘をくださった方が27回全部の審査に関わっているとは思いません。ですが少なくとも10回以上は審査を受けているでしょう。
かつその会社は年数を重ねているだけのことはある、レベルの高い管理、運用状態にあることはかなり早い段階で感じ取ることが出来ていました。
実は20年以上認証を取得してくださっているにも関わらず、えっ、こんな管理レベルなの、という会社に遭遇してしまうこともまた事実ですので、余計にしっかりしていると感じてしまいます。
その状況下での今回の指摘でした。
さて、まず大枠はこれでご理解いただいたと思いますので、もう少し具体的なことまでお話しましょう。何かの参考になれば幸いです。
審査慣れてしている組織の着眼点
クライアントの管理責任者の方は、クレーム対応へのツッコミを入れると良かった、というところまで言ってくださいました。
確かにその部分の深掘りは全くしませんでした。
前年の審査状況に関する審査員間の引き継ぎ情報から、同社がクレーム対応の強化に問題意識を持っていることはわかっていました。
しかし、当日朝の初回会議で、社長の問題意識が内部コミュニケーションの強化にある、という話が出たことで、そちらへより意識が向き、クレーム対応の深掘り、という問題意識がその部の審査時間では欠落と言ってもよい状況になってしまった結果、今回の指摘を受けるに至った、ということです。
まだまだ老練な審査員というわけには行きません。
ですが、このようなフィードバックを頂く機会は本当に貴重です。通常であればこのような関係性には審査の中でのお付き合いではならないため、組織の方から直接口頭でコメントを頂く機会はありません。
事後のアンケートはどの審査機関でも実施している状況ですが、そこにはなかなか本音が書かれることは少ない、というのが実情でしょう。
大事にしたいものです。
その上で、もう一つだけ、私の考え、スタンスも併記しておきます。
前記の内容を否定したいわけではなく、様々な考え方があることを感じていただければ幸いという思いからです。
自分のスタンスと相手の状況とのギャップ
私の考えは、審査対象部門が営業部門だったことに起因する部分が一部はあるからです。
どういうことかというと、
営業として最も重視してほしいことは、売上目標をいかに達成するか、そして更に売上を伸ばすためにどのような工夫をしていくか、そのために自社の理解、自社製品の理解、強みをより伸ばす、他社との違いを打ち出す、といったことへの積極的対応を期待したいのです。
さらにもう一歩踏み込んで行けば、それらの対応を積極的に取り組めば取り組むほど、失敗も出てきますし、場合によってはそれがクレーム対応にも繋がりかねません。
とはいえ、ミスやクレームを恐れて積極的対応に二の足を踏むと、営業として本来狙っていくべきことへのエネルギーの注ぎ方が鈍ります。このバランスをいかにとって、成果を上げるかが営業には求められるバランス感覚と思っています。
その部分を十分に深掘りした審査をしていたので、クレーム対応の確認時間まで取れなかった、と言いたいわけではありません。
同社の意向を踏まえれば、明らかに今回は私の審査の力量不足を露呈した、ということになりますが、当該部門の本源的価値はなにか、ということを考え続け、それにふさわしい審査とはどのようなものか、ということへのチャレンジを続けることも大事な視点、ということを忘れずにいたいために、言い訳と取られるかもしれないことを記しました。
そこから考えると、今回の審査の反省点は、その時間の冒頭に部長から部の運営方針をしっかりヒアリングできなかった、ということにあります。
次回は頑張らねば。
最後に『今回のひとこと』



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