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受講者の奥にいる本当の受講者(ISO研修講師日記Vol.16)

  • tsunemichiaoki
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分
受講者

時間に余裕のある2日間研修

今回は久々に定番のISO内部監査員養成2日間研修の講師。個別のお客様の要望に対応して、カリキュラムに若干手を入れ、教材はいつも通りながら、2日間で約1時間の時間を増やしての開催でした。

そのプラス1時間のおかげで、久々に時間管理にほぼ苦労することなく終えることができました。とは言え、余裕をかまして話が長くなった箇所もあり、最後はぎりぎりの進行に。それでも1分の延長もなく終えられたので、時間管理上は合格としましょう。


10年越しの信頼関係と現場感

今回のお客様は、私が初めて講師として訪問したのがほぼ10年前。コロナ期は開催なしでしたが、回数を重ねてきたお客様です。

先方も私を指名してくださっての実施。互いに不安要素のない中での開催でした。とは言え、受講者の学びはその場がすべて。手抜きは一切できません。



今回の気づきは「事務局との関係構築」

今回記しておきたいのは、講習会の内容よりも、事務局の方との関係構築についてです。


約10年の間に、担当者は何度も交代。今回も新任の方との初対面から始まりました。できれば同じ方が続いてほしいですが、こればかりはどうしようもありません。新たな担当者と信頼関係を築くしかありません。



担当者が変わることの“メリット”

実は、担当者が変わることで得られるメリットもあります。それは、相手企業のことを素直に聞き出せるということ。

何度も顔を合わせていると「以前聞いたかも」と遠慮してしまうことがあります。新任の方なら、しがらみがなく、率直に質問できるのです。



教育体系の“空白”に気づく

今回の会話で、同社にはISOやQMSに関する体系的な教育プログラムが存在していないことが判明しました。初級・中級・上級といった段階的な教育体系もなく、ある年齢や職位になると突然内部監査員研修の対象になるとのこと。

つまり、私が長年提供してきた研修は“中級”に該当し、初級・上級はカバーされていないということになります。



ランチで見えた“本当の受講者”

こうした話は、ランチをご一緒しながら自然に出てきたものです。このような会話を通じて、事務局の方々の教育に対する経験値や問題意識も見えてきます。


今回の最大の収穫は、まさにこの部分でした。



事務局の力量強化が鍵

ISO事務局メンバーが社員教育の枠組みにうまく入っていない企業は少なくありません。独力で頑張っている方もいますが、そうした方に出会えるのは稀です。

実は、研修を受ける方よりも、研修を発注する事務局の方の力量強化こそが重要だと感じる場面が多々あります。



大企業にありがちな“安定の罠”

大企業では、毎年の予算が定例的に確保され、一定水準の研修を実施する責務がある。外部研修会社も安定していて、上層部からの注文もない。

その結果、「前回同様」が最も安全な選択肢になってしまう。新たなチャレンジよりも、失敗しないことが優先されるのです。



ISO教育の“見えない課題”

こうした事務局向けの教育こそが、実はより重要かもしれません。しかし、その必要性に気づいている企業は多くありません。


ISO教育は人事部の教育訓練とは別枠で運用されていることが多く、そこにも課題があります。両者が融合できれば、新たな可能性が開けるはずですが、現状では難しいのが実情です。



本日のひとこと

🎯社員教育を行う事務局部門の方々の力量強化に力を注ごう!




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